インディヘナ/インディオ/先住民(indígena, indio):
先住民の呼称である。本書で述べているようにインディオはスペイン系征服者たちにより長年呼ばれてきたために階級的劣位者あるいは卑俗な民というニュアンスが払拭できない。そのために「政治的に正しい」呼称として普及したのがインディヘナという現代用語であり、日本語の先住民ないしは先住民族をさししめす言葉である。先住民と征服者の間には長い植民地統治時代に混交が進んで混血の意味をもつメスティーソ(mestizo)という人口集団が権力的優位者になった。グアテマラではその混血を、イベリア半島でのユダヤ系混血集団の呼称であったラディーノ(ladino)という、名称が全く無関係のメスティーソ住民を指し示す用語として先住民系の住民の間に広く受け入れられて現在でも使われている。